- クラシックLP
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USA / LP / Stereo / Nonesuch H71359 / Rec 1979 / Pub 1979
ジャケット表裏ともに円状の擦れ小、レーベルひげ無し、盤擦れほぼ無し、プレスによるチリパチ音少し
Jacket 3.5 / Disc 4 / Sound 4
■米のピアニスト、ポール・ジェイコブズが、ブゾーニのソナチネ6作品を弾いた一枚。
イタリア生まれの作曲家フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924)。バッハの音楽に深く根ざした新古典主義的作風で知られ、後には電子音楽、微分音音楽まで提唱したブゾーニは、バルトーク、クルト・ワイル、エドガー・ヴァレーズ等を教えまた世に出した教育者としても重要な人。本作はNYフィルのピアニストでもあり、現代音楽を積極的に録音したポール・ジェイコブスが、ブゾーニの残したソナチネ6作品を弾いたノンサッチからの一枚。ブゾーニのソナチネ、初めて聞いたのですが鷲づかみにされました。さらさらと決まった調から逃れるような、美しく不安なメロディの『第一番』(1910年)。全ての曲にも言えることですが、ポール・ジェイコブスのディレクションなのか、カーテンを一枚隔てて聞こえてくるようなぼんやりとした音がたまらなくいい。全作品中最もアヴァンギャルドなのが無調の『第二番』(1912年)ですが、構成や明快なリズムで曲の世界へ引きずり込む力の大きい作。可愛らしい、テンポ感のいいリズムながら、時に感傷的で時にドキッとするメロディが飛び出す『第三番・子どものために』(1915年)、試聴の『第4番・キリスト生誕1917年の日に』(1917年)、バッハ風のメロディが澱みの中続く『第五番・大ヨハン・ゼバスティアン氏の印として』(1918年)、ラストは『第六番・カルメン幻想曲』(1920年)で、ビゼーの『カルメン』をもとに創作された作。「ハバネラ」のメロディも本当刺激的にリアレンジされています。