- クラシックLP
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Czechoslovakia / LP / Stereo / Supraphon 1112149G / Rec 1976 / Pub 1977
コーティング・ジャケット表裏擦れわずか、きれい、レーベルひげ無し、盤擦れわずか、ほぼ美品
Jacket 4 / Disc 4 / Sound 4
■ダダとジャズに影響を受けたチェコの二人の作曲家、シュルホフ、ブリアンのヴァイオリン・ソナタを収録した一枚。
20世紀チェコのダダイスム影響下にある二人のヴァイオリン・ソナタを三作収録したチェコ・スプラフォン盤。二人ともナチスに迫害を受け、またジャズと関わりの深いことで知られます。まずはエミル・フランチシェク・ブリアン(1904-1959)。ダダと未来派に影響を受け劇団も結成し、ジャズ・バンド曲も知られる作曲家で、本作には5楽章からなる『Sonata Romantica』(1937年)を収録。媚を捨てた破裂するような情念が刺さる全速力で駆け抜ける楽章、静かな楽章での声にならない叫びのような情感が溢れる響きなど、スゴスギます。もう1人はチェコのダダイストを代表する作曲家シュルホフ(1894-1942)の、4楽章からなる『ソナタ第一番』(1913年)と、5楽章からなる『ソナタ第二番』(1927年)の2作で、シュルホフのヴァイオリン・ソナタの全て。ジョン・ケージより先に無音の作を出したり、あえぎ声の歌曲「ソナタ・エロティカ」が良く語られる人ですが、そんな耳を引く話は忘れていただいてOK。ブリアンの『Sonata Tomantica』のドロっとした部分を増幅し、聞き育った古く豊かな音を沁み込ませた感の『第一番』。そして信じられないほど素晴らしい『第二番』。ストラヴィンスキーやミヨーのきらめきと退廃が一つになった響き、20年代からジャズ・ピアニストとしてもやっていたというシュルホフらしい、ジャズ色のある(というかほとんどどっぷり暗いスタンダードのよう)なナンバーなど、美麗なメロディも不協和音も一度に投げつけるような力に圧倒され感動やまない全5楽章。ヴァイオリンはイジー・トマーシェク、ピアノはヨセフ・ルジッカ。試聴『Sonata Romantica』の第四楽章と『ソナタ第二番』の第一楽章。