- クラシックLP
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Mexico / LP / Stereo / Centro Independiente De Investigaciones Musicales No Number / Rec 1986 / Pub 1986
特殊厚手ビニール・ジャケット下部小縁裂け、スリーブきれい、レーベルひげ無し、盤極浅い擦れ
Jacket 3.5 / Disc 4 / Sound 4
■メキシコの4人の現代音楽作曲家による弦楽四重奏曲を4作収録した86年の一枚。
演奏はメキシコのラテン・アメリカ弦楽四重奏団で、調べたところこれがファースト・アルバムのよう。一曲目シルベストレ・レブエルタス(1899-1940)の『Musica De Feria(祭りの音楽)』。ヒナステラのような運動力とバルトークのような刺激に満ちた前半から、アンダンテ・カンタービレを思い出させる深い静寂を経て混沌になだれ込む作。次がもうほんとに凄まじい。ドビュッシーやシェーンベルクに影響を受けたスペイン人作曲家で、メキシコに亡命したロドルフォ・アルフテル(1900-1987)の『Ocho Tientos(8つのティエントス)(試聴)』。ティエントスとはタンゴから派生した音楽だそうで、確かにエキゾチックなメロディが入る舞曲風のリズミックな作。レブエルタスに近いものあり、しかしさらに広汎な音楽を吸収したような感じで、練り上げも深さも半端なし。しかし手法は実に分かり易く直截的で、短いフレーズのバリエーションに終始し魔法を見せるような信じられないナンバー。B面頭、これもスゴイ作。ジュリアン・カリージョ(1875-1965)の『Dos Piezas(2つの小品)(試聴)』。この人、19世紀末に民俗音楽をもとに微分音を始めたパイオニアだそうで、この作もそう。延々、ドラマも安堵も訪れないゆったりしたアンサンブルで、伊の未来派シェルシのヒントになってそうなうねりに溢れた作。ラストはアルトゥロ・マルケス(1950-)の『Ron-Do』。最後を締めるのにふさわしい、オスティナートのポリリズムや雑音的ピチカートなどをふんだんに使った華やかな作。定期入れのような分厚いビニール製の封筒型ジャケット。